我々の工場での大掃除についてお話させていただきます。(最後に余談もあります)
皆様の会社との違いを感じながら読んでいただければ幸いです。
なぜ年末に「大掃除」を行うのか
日本では年末の大掃除は古くからの習わしですが、機械設備に関しても同様に、一年の汚れをリセットすることで下記のような効果を期待できます。
・故障リスクの軽減
・生産効率の向上
・作業環境の改善
・機械へ感謝の気持ちを込める(最後の方の余談でお話しします)
特に油汚れや細かな粉塵は、放置するほど固着してトラブルの原因となりやすく、一年の区切りとして徹底的にクリーニングすることが最も効果的です。
弊社での大掃除
弊社は事務所と現場があり、それぞれ持ち場に分かれて年末2日程度かけて掃除を行います。ただ、営業も可哀想なことに現場の方を手伝うのが習慣となっております。
特に現場は機械の種類も多く、毎日軽くは清掃しておりますが、1年分の汚れを落とすとなると非常にやっかいで、みんな口々に「通常の仕事をしている方が楽だ」と言っています。
大掃除の際のスタイルは、
・使い捨て不織布防護服(つなぎタイプでフード付き)
・防塵マスク
・軍手・帽子
・必要ならゴーグル
を着用して掃除に取り掛かります。
このスタイルになると、誰が誰かわからなくなり、近くにいても「あなたは誰?」と声をかけてから話をしなければなりません。

何故そこまでの格好をするかと言えば、PEEKやナイロン等の可塑性樹脂を切削してもそんなに埃は出ないのですが、弊社はフェノール樹脂やカーボン等の熱硬化性樹脂も削るので、切り粉が埃となり、掃除の際はその防塵用のスタイルが必要になってくるのです。日頃の加工時は集塵機を使用しているのでそんなに飛散しないのですが、掃除の際は広範囲に埃が舞うので、結構重装備になってしまいます。
掃除の順番としては、それぞれの機械の担当者が担当の機械を掃除していきます。早く終われば勿論ほかの機械の掃除も手伝います。一通り機械の掃除が終わると共有の設備(試験機、測定器、集塵機、窓、照明、車等々)を手分けし掃除していきます。
そして最終は全員で床を再度掃いて終了です。これだけ綺麗にしても、年明けに仕事を始めると元の木阿弥状態で、半日と持たないんですが・・・
大掃除はある意味日本の文化なんでしょうね。
ここから余談です
日本と海外の“大掃除文化”の違い
日本:12月の「大掃除」文化が根強い
![]() |
日本では年末に家や職場を徹底的にきれいにし、新年に“良い気”を迎えるという習慣があります。会社でも年末の最終稼働日に清掃時間を設けることが一般的で、これは「一年の区切りを大切にする」日本独特の価値観と結びついています。弊社でも工場や職場の大掃除は、単なるメンテナンスだけではなく、「一年間働いてくれた機械への感謝を表す」という意味合いを込めて実施しています。 |
特に日本の製造現場では、設備を“相棒”や“仲間”として扱う文化が根強く、「今年も止まらずに働いてくれてありがとう」という想いで丁寧に掃除をする方も少なくないでしょう。
以前、アメリカ人に「今日は機械の大掃除をしてきた」と言うと「何で」と聞き返されたので、私は上記のような事を言うと不思議そうな顔をされてしまいました。
文化の違いですね
アメリカ・ヨーロッパ:大掃除は“春”が中心
![]() |
欧米では“Spring Cleaning(春の大掃除)”が主流で、冬の閉塞感をリフレッシュする目的で春に大規模な片付けを行います。年末は清掃よりも、家族と過ごす時間を重視する傾向が強く、“年末大掃除”という概念はあまり一般的ではありません。 |
アジア諸国:旧正月前に行う国が多い
![]() |
中国や台湾、韓国などでは旧正月前に大掃除をする文化があります。「一年の厄を払い落とす」という考え方が日本と近く、年明け前に徹底的な掃除を行う点では、最も日本と価値観が似ています。 → 日本の企業の年末大掃除は、実は世界的に見ると珍しい“年末メンテ文化”の一つと言えるのです。 |
最後の最後に、機械あるあるです。
- 故障がちの機械の前で、そろそろ買い替えようかと話をすると、調子よく動くようになる事がたまにある
- 故障したので機械メーカーに来てもらったら、正常に動き原因がわからずに終る事がある。
- 日頃あまり掃除をしない機械の掃除をすると、どこか故障して動かなくなる事がある。
(これは日頃からの掃除が大切だと思い知らされます)
おわりに
年末の機械大掃除は、ただ綺麗にするだけでなく、「機械と一年間一緒に頑張ってきた」という想いを再確認する大切な時間でもあります。設備も人も気持ちよく整えて、来年を迎えましょう。
今年も一年間、弊社のメールマガジンをお読みいただき誠に有難うございました。
来年も引き続きよろしくお願い申し上げます。




