PEEK

樹脂ベアリング(樹脂軸受)に使われる材料であるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)の特徴です。
材質にどのような特徴があるかご確認ください。

PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)の概要

芳香族ポリエーテルケトン樹脂の一種で、結晶性の熱可塑性樹脂に属する合成樹脂。

エーテル結合とケトン結合を交互に配置した基本的な直鎖状構造を持つものがポリエーテルケトン (polyetherketone, PEK) で、エーテル・エーテル・ケトンの順に結合を配置したものが、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン polyetheretherketone)です。

PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)の特徴

PEEK樹脂の特徴としては、

• 高い耐熱性（使用条件にもよりますがベアリングとしては180℃程までの環境に対応）
• 耐摩耗性が優れている
• 強度があり負荷に強い
• 高い耐薬品性をもつ（一部強酸を除く)
• 耐スチーム性がある（高温水蒸気下でも加水分解を起こさない）
• 放射線による劣化が生じにくい
• 真空環境でもアウトガスの発生が少ない
• 燃焼しても有害物質の発生が少ない

といった高スペックなプラスチックです。また加工性が良いため寸法精度が出しやすく扱いやすい材質なのですが、非常に高価な樹脂になります。

PEEKが使用されている分野についてですが、航空宇宙分野では重宝されており、航空機部品をPEEKにすることによって軽量化、燃費向上、製造性メンテナンス性アップなど様々なメリットを生み出しております。他にも自動車用部品や半導体分野、食品衛生法適合材質という点から食品加工機械など、幅広く使用されている材質です。

ベアリングとしての使用環境については、上記の特徴に記した通りドライ、水中、薬液中、高温環境、真空環境、放射線環境など、幅広く使用できます。摺動性能が高いので高速回転にも対応でき、プラスチックの弱点である負荷にも比較的強い材質です。他のベアリングと同様、オイル無しで使用できますし、非磁性、絶縁性も有しております。濃硫酸などの強酸や超低温では使用できないことや、価格が高いこと等デメリットはありますが、それを補うほどの長所をたくさん持ったスーパーエンジニアプラスチックです。

また、弊社では摺動グレードといってカーボングラファイトとPTFEを充填させたグレードも取り扱っております。（上記写真の黒い方の材料です）

こちらは通常のPEEK樹脂よりも摺動性・耐摩耗性が向上しており、使用範囲が広がり長寿命で使用出来たりします。ただ摺動グレードはカーボンの特性から絶縁性能はありません。

オススメ度
◎充分おすすめできる　○普通におすすめ　△使用できるがおすすめしない　×使用不可

注）薬品については種類や濃度等ご相談ください。

PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)の耐温度性能

オススメ度
☆最もオススメ　◎とてもオススメ　○普通にオススメ　△使用できるがオススメしない　×使用不可

注）ベアリングの形状が変わります。

 

 

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