フェノール樹脂

樹脂ベアリング(樹脂軸受)に使われる材料であるフェノール樹脂の特徴です。
材質にどのような特徴があるかご確認ください。

フェノール樹脂の概要

フェノール樹脂 （フェノール－ホルムアルデヒド樹脂、ベークライト、石炭酸樹脂）

フェノール樹脂は、フェノールとホルムアルデヒドを原料とした熱硬化性樹脂で、植物以外の原料から人工的に合成された、世界で初めてのプラスチックです。 
1907年にアメリカのベークランドによって開発され、1909年にベークライトの名で商品化された最も古いプラスチックのひとつです。

クレゾール等のフェノール類からも同様の樹脂が製造できるため、これらの樹脂を含めてフェノール樹脂と呼ばれることが多いようです。 
絶縁性、非磁性がすぐれ、耐油、耐薬品性も高く、熱にも強いですがアルカリには弱い性質があります。 
性能のわりに、価格は比較的安価といえるでしょう。

フェノール樹脂の特徴

【長所】

• 機械強度が強い
• 電気絶縁性が高い
• 耐溶剤性に優れている
• 摺動特性が良い
• 耐熱性、耐寒性に優れている
• 性能の割に比較的安価
• 断熱性が高い

【短所】

• 食品衛生法に不適合
• 吸水率が高め
• アルカリ性薬品に弱い
• 硬いが脆い

プラスチックは大きく分けると『熱可塑性プラスチック』と『熱硬化性プラスチック』の2つに分けられますが、フェノールは熱硬化性プラスチックに分類されます。
熱硬化性プラスチックとは、熱を加えれば加えるほど硬化が進み、最後は炭化するという特徴を持ちます。

フェノール樹脂だけで固めると、硬いのですがもろくすぐ割れます。
これでは製品として使えないので、紙、布、ガラスといった繊維（基材）に樹脂を染み込ませて、加熱+加圧して割れない製品にしています。
また、樹脂の分子が架橋構造（ジャングルジムのようなイメージ）になっており分子同士がたくさん手をつなぎ合っているため、負荷に強いのが特徴です。

フェノール樹脂の使用例

• 基盤
• 自動車のブレーキパット
• 食器
• フライパンや鍋などの取手

などに使われています。

フェノール樹脂製品の導入事例

金属探知機に反応しない非磁性・絶縁性ベアリング

フェノール製2つ割すべり軸受

水処理設備にて使用出来るピロブロック

 

フェノール樹脂の使用環境目安

オススメ度
◎充分おすすめできる　○普通におすすめ　△使用できるがおすすめしない　×使用不可

注）薬品については種類や濃度等ご相談ください。

フェノール樹脂の耐温度性能

オススメ度
☆最もオススメ　◎とてもオススメ　○普通にオススメ　△使用できるがオススメしない　×使用不可

注）ベアリングの形状が変わります。

フェノール樹脂のミニ情報

目に見えるところではフライパンの取手などにも使われたりもしますが、一般的には、基盤などの目に見えない機械部品として使われることの方が多いです。
高い電気的特性や耐熱性を持っていることから、工業化の発展と共に電気部品、機械部品として古くから使用されてきたようです。

電話やラジオ、電球、電子管やソケットなどの部品等、非導電性の部品としてはおなじみの素材で、かつてはドレスのボタンや、ジュエリーの材料としても使われていたようです。

 

 

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