~ 屋外の太陽光(紫外線)・風雨にも劣化しない ~
弊社では軸受材料として主にプラスチックを使用しております。 プラスチックベアリングとは |
耐候性
樹脂の物性の一つに耐候性があります。
屋外環境で樹脂を使用したい場合、材質の耐候性が非常に重要になります。
耐候性と一言に言っても樹脂が劣化する要因は様々です。
劣化の要因として太陽光(その中の紫外線)、熱や温度変化、酸化、雨などがあり、屋外で樹脂製品を使用するためにはこれらの条件に耐えることができる材質を選ばなければなりません。
耐候性が低い材質を使用すると、変色、硬化、変形ひいては破壊等が生じトラブルが発生する可能性が高くなります。
実際にどのような変化が起こるでしょうか?
変色
外観が白色や黄色に変化します。
屋外に出しっぱなしにしていた洗濯バサミやバケツ、キャンプ用品等が白くなったり、黄色くなったりしているのを見たことがあるかと思います。
これが変色です。変色は劣化・破壊につながる可能性が大です。
(洗濯ばさみは変色が原因でよく壊れます。)
硬化
硬度が上昇することを言います。
樹脂が硬化することで収縮率や応力が変化し、反りや割れが発生します。
変形
縮みやひび割れ、欠けが生じます。
樹脂ベアリングでは寸法が変化することで部品として使用できなくなったり、欠けが生じたりします。
耐候性に関連した、弊社樹脂ベアリング使用事例をご紹介します。
露光装置での使用
紫外線に関連して、弊社ベアリングは半導体関連の露光装置で使用されています。
紫外線に耐性があるPTFEの特徴を活かし、ガラス充填材入りPTFEのベアリングを使用しています。
~PTFEについての小話~
PTFEは特に紫外線に耐性がある材質です。
東京ドームの屋根に使用されていることをご存知の方も多いのではないでしょうか。
PTFEでコーティングしたガラス繊維膜材を屋根部分に使うことで、日差しが強い日や雨が降っている日でも快適に野球観戦やアーティストのライブ鑑賞をすることができます。
1988年(昭和63年)の開業以来、貼り替えをせずに現在に至るようです。
屋外での使用
スキー場のリフトや遊園地の遊具等で弊社のフェノール樹脂軸受けが使用されています。
雪や雨など耐水性・耐熱性・耐寒性に優れ、温度変化による寸法変化が起こりにくい材質です。金属ではすぐに錆びてしまう環境でも、樹脂軸受を使用すれば交換やメンテナンスの手間を省くことができます。
駅ホームドアでの使用
ホームドアは屋外に設置されているため、紫外線、雨、雪にさらされます。
金属ベアリングでは雪や雨で錆びてしまうため、ここでもフェノール樹脂+充填剤入りPTFEの樹脂ベアリングを使用していただいております。駅のホームは毎日たくさんの方が利用しますので、メンテナンスの手間を省くことで私たちが快適に利用することにも繋がっています。
他にも耐候性に優れた樹脂があります。
アクリル(PMMA)やポリカーボネート(PC)などもPTFEほどではありませんが、紫外線劣化を起こしにくい優秀な素材です。
アクリルは紫外線が当たる航空機の窓や車のランプカバーなどに使われています。
ポリカーボネート(PC)はベランダの屋根材、波板、電機電子部品、フィルム、スマートフォンのケース等に使われます。
また、耐候性が求められるパーツである工業用の配管・雨どい・汚水タンク等には、ポリ塩化ビニル(PVC)※通称:塩ビが使われています。
耐候性が良い樹脂ベアリング・樹脂加工品をお探しの場合は、ぜひ弊社までお問い合わせください。