先日、弊社と共同研究を行っている富山大学へ伺いました。
ここ富山大学では、産学連携としてプラスチックなどの非金属軸受の共同研究を行っております。
今回は、弊社が行っている共同研究についてお話ししようと思っております。
世の中で使われているベアリングのほとんどは金属ベアリングだと言われています。ただ、特殊環境の多様化によって、無潤滑や耐水性・耐薬品性、非磁性、軽量化など、金属ベアリングでは対応できないような環境で使用出来るベアリング、つまり樹脂ベアリングの需要が増えつつあります。
金属ベアリングは長い歴史があり、また大手メーカーが手掛けていることや材質がSUJ2に限られるということから、確立した計算式やデータがあるのですが、樹脂ベアリングに関しては製作しているメーカーが少なく歴史も浅いため、専用の規格が無く実験データも不足している状況でした。そういった理由から、樹脂ベアリングのデータを集め独自規格を作ってしまおう、と研究を開始したというのが経緯になります。
当時、破壊力学について研究されていた木田教授にコンタクトを取ったところ、金属やセラミックの研究は行っていたものの、プラスチックは取り扱ったことが無かったようで、ここでプラスチック軸受も研究に取り入れることが出来れば、軸受に関しての研究が網羅できるという点から共同研究について快諾いただきました。
金属ベアリングの不具合の原因は転がり疲労が主ですが、樹脂ベアリングの不具合の原因は何か、破壊形態に違いがあるのか、また何に起因して生じているのか、不具合への対策として、加工条件や形状に最適なものはあるのか、などを研究対象としPEEKやPPSなどスーパーエンプラを中心に弊社で製作している軸受の研究と開発を行い始めました。

現在では多くのデータが集まり、弊社もそのデータをベアリングの選定や販売に活用しております。多くの論文も作成し、200以上の論文を世の中に発表しております。
面白い研究データも多数あります。
例えばある実験で、ドライ環境と水中環境での軸受の疲労について研究した際に、ドライ環境と水中環境では軌道輪の加工条件をそれぞれ変更することによって、摩耗が抑えられるという実験結果が出ました。
他には、スラストベアリングのリテーナー形状を変更することで摩耗が抑えられるという結果が出たことにより、弊社が取り扱うスラストベアリングにも応用しております。弊社では切削加工によってベアリング製作を行っているため、加工についての変更や調整が容易で、すぐに反映ができるのも強みの一つです。
このように、弊社では大学での専門研究という大きな後方支援のもと、製品の製造・販売を行っており、お客様へ安心して使用いただけるよう、日々研究を重ねております。
鹿島化学金属はプラスチックとプラスチックベアリングのプロフェッショナルです。
お困りのことがあればお気軽にご相談下さい。


